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モノ作りと環境:
開発から製造までの一貫体制。高品質で環境にやさしいもっといいモノ作りを。

ワークフロー

開発から製造への連携が品質を支える要

 モノ作りは、開発から製造までの一連の流れでつながっています。その連携がとれているからこそ、いいモノ作りができるのだと私たちは考えています。  私たちのモノ作りには、ハードウェアやソフトウェアの開発から始まり製造に至る工程があります。ハードウェアの代表例であるボードコンピュータを例に取ると、まず、いろいろな機能の仕様を決める段階から、回路設計までの仕事があります。そこから製造までの流れにもうひとつ重要な工程があり、お互いに連携したプレーが必要になるのです。それは回路図を実際の基板に作り込むとき、設計どおりに動作するのか、さらに製品として信頼性があるのかどうかを検証するための工程です。  組込み製品の信頼性を高めるために、ボードやモジュールにおけるノイズや信号スピードに特に注意が必要です。そのノイズは回路図から基板を作るときのパターンの引き方によって左右されます。同じ回路図がノイズを大量に発生させるか否かは、そのパターン設計技術によって決まるのです。次に、信号スピードです。大容量の情報を高速に処理できるパソコンも、信号を受け渡すスピードが速いからだと言えます。ですから少しの信号の歪みが原因で、誤動作を起こしてしまったり、動作が停止してしまったりという問題が起きてしまいます。その波形をいかに正確に出せるか、ということもパターン設計技術によって決まるのです。回路図を設計しても実際に基板を作るときに、配線密度だけを追求したり、複雑な配置をしてしまうと、製品の作り方そのものを難しくし、品質維持が困難になったり生産コストを上げる要因になりかねません。生産品質を高め、コスト面についてお客様に納得いただけるようにするには、基板上でつくりやすいような部品配置をすることも重要になるのです。

目配りができる体制がいいモノ作りを可能に

 今では設計開発を行う企業は工場を持たない例が少なくありません。開発だけであったり、工場だけであったり、何かを専門的にやっている企業は、モノ作りの一連の作業に必要な連携を、他社とやらなければなりません。しかし私たちには、「回路を設計する」「パターンを設計する」「モノを実際につくる」というすべての技術に精通しています。その他にも品質部門では、いかにきちんとした製品を出荷するか、製造部門ではいかに早くいいものをつくれるか、調達部門ではいかに早く製品に必要な材料を揃えるかなど、開発設計段階から、それぞれの部門ごとでお客様の要求を、共通の認識として受け入れ、作業をしています。そしてそれぞれが連携をとり、目配りできる体制だからこそ、いいモノ作りができるのだと私たちは考えています。

工場を持つことが「強み」の時代

 私たちが工場を持っているからできる利点が2つあります。それは多品種変量生産を可能にしていることと、お客様の求める品質ニーズや環境対応をいち早くとらえ展開できることです。在庫を持たないお客様の要求に応え、必要なときに必要な量を提供することを実践し、毎月約200種類以上の商品を一つの製造ラインで生産しています。また、近年は一般の方の品質への関心が高まっている時代でもあります。たとえば売っている野菜に生産者の情報が載っていたり、特定の工場モデルの商品が販売されていたりします。メーカーも製品に関わるすべての部品や現場の品質管理をしていかなければならなくなっているのです。このように時代によってお客様のニーズが変わってきますので、それに対応していくためには私たちも変わっていかなければなりません。そのため2003年より、モノ作りの品質やコストを一点ずつ見直しながら改革を進めていく「生産革新運動ARP」をスタートしました。今も世の中のお客様のニーズに合わせて生産工程を改善し「QCD(Quality・Cost・Delivery)」の向上に努めています。

「環境にやさしい製品」作りを積極的に進める

生産ライン ソーラーパネル

 近年は、「安く(リーズナブル)、早く(タイムリー)、高品質(クォリティ)」というニーズに「環境にやさしいもの(エコロジー)」という条件が加わりました。2003年からEUで施行された、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての「RoHS指令」に従い、鉛、水銀、カドミウムなどを使用せずに商品を生産しなければならなくなったのです。私たちはただちに鉛を使わない生産技術を確立するための実験研究を何度も重ね、自分たちが納得できる対策を考えました。その結果、全ての生産設備と製造ラインを鉛フリーに対応することに成功しました。またRoHS指令にある物質だけでなく、私たちが有害と判断するものは排除するよう、業界でもいち早く取り組んでいます。  私たちのモノ作りは有害ガスを出したり、有害な水を排出することはありませんが、積極的な環境保全に取り組むために、生産工場をはじめ全社で省電力化、省エネ化を推進しています。「環境にやさしい商品」を求められているメーカーは、開発設計部門から生産工場に至るまで連携がとれていなければその「環境への適合性」を保証できません。開発から製造まで一貫体制で行う私たちだからこそ、お客様の力になれると考えています。  モノ作りで社会に貢献しようとする企業は、なによりも地球環境に配慮しながら共生することが求められます。社会のニーズにいち早く応え、より便利で品質の高い製品を適正な価格で提供し、全てのステークホルダとともに躍進する、それが私たちアバールデータのめざす姿です。