Tera Storage シリーズ
APX-880AのQ&A


1. 導入前に

2. 製品の使用に関して

 

1. 導入前に

Q1 どんなコンセプトの製品ですか?

答え

大容量データを高速に保存、再生する要求に対し開発された製品です。保存メディアにSDカードを使用します。データ保存用のSDカードとして最大で32枚搭載可能であり、例えば32Gバイト容量のSDカードを用いた場合、約1TBのストレージ領域を持つ事が可能です。従来のRAID構成のようにラックのスペース制限もありません。ストレージへのアクセス速度は、最大で1.4GByte/秒の性能があります。Q4Q5もご参照ください。

Q2 どんなアプリケーションが対象ですか?

答え

A/D変換データや画像データ等、高速に大容量の入力が行われる装置で、リアルタイムにデータ保存するアプリケーションが考えられます。 その他、予めストレージ内に保存されたシミュレーションデータ等を高速再生しターゲットに出力するような利用方法も可能です。 APX-880Aを高速なデータ・キャッシュとして使用し、ギガチャネルやLANを経由して上位サーバーにデータ移行を行なう事も可能となります。

Q3 その他の機能はありますか?

答え

弊社の超高速光通信ボード「ギガチャネル APX-78xシリーズ」との接続が可能です。 ギガチャネル回線上に接続されたノード(PC)からの転送データ保存や、ストレージ内の保存データをノードへ分配出力する事も可能なためデータの分散/集中管理が可能となります。 ギガチャネルに関しては、こちらをご参照ください。 その他、拡張バスとしてLVDSでの接続を可能にしています。(カスタム向け製品オプション)

Q4 使用するSDカードの条件はありますか?

答え

はい。当社にて評価済みのSDカードをご使用ください。実装するSDカードは全て同製品、同容量のものをご使用頂く必要があります。SDカードは市場価格の変動が顕著なため、コスト的メリットを考慮しユーザー様での調達(別売)をお願いしています。(詳しくは、※評価済みSDカードを参照ください)

※評価済みSDカード (2012年2月現在。詳しくは弊社営業にご相談ください)
(1) 東芝製 SDHC UHS-I対応  SD-E032GUX、SD-E016GUX、SD-E008GUX
(2) Panasonic製 SDHC UHS-I対応 RP-SDA32G、RP-SDA16G、RP-SDA08G

Q5 高速に読み書きする条件はありますか?

答え

はい。本製品はSDカードに並列アクセスを行い高速化を実現しておりますので、16枚または32枚のSDカードを使用いただく必要があります。(パリティ機能使用時は18枚または36枚必要) Write/Read性能  16枚(18枚)時:950MB/sec  32枚(36枚)時:1400MB/sec PC条件  PCI-Express2.0 4レーン以上のスロットをPCへ接続する必要があります。

Q6 ストレージ内のフォーマットは?

答え

APX-880Aオリジナルのフォーマットになります。従って、SDカードリーダ等での参照は行なえません。ストレージへのアクセス(フォーマット、リード、ライト)は全て専用のドライバ/ライブラリを用いて行います。Q7も参照下さい。

Q7 サポートするOSは?

答え

WindowsXP(32/64)/7(32/64), Linuxの各ドライバーを用意しています。 Linuxのディストリビューション等の詳細については弊社営業にご相談ください。

Q8 SDカードの寿命に関して教えてください。

答え

SDカードを構成するフラッシュROMにはMLCとSLCの2種類が存在します。 一般的にMLCの書き込み寿命は3千〜1万回といわれています。(SLCはその10倍)SDカードは消耗品としてメンテナンスを行なって頂けますよう、お願いいたします。 尚、書き込み耐用回数は、将来的に製造プロセスで変化する可能性がありますので、この回数を保障するものではありません。あくまで参考値としてご判断ください。 寿命は以下のとおり算出されます。

★カード寿命(書き込み回数)×容量÷書き込み速度×稼働率÷書き込み比率
例 (1) 書き込み速度:毎秒1GByteの場合  3000回×1TB÷1GB×(24÷8)÷(20÷100)= 45000000秒= 520日=約1.4年
例(2) 書き込み速度:毎秒100MByteの場合  3000回×1TB÷100MB×(24÷8)÷(20÷100)= 450000000秒= 5200日=約14年

条件:稼動時間:1日8時間、書き込み比率Write:20%、Read:80% 尚、読み出しは、寿命に影響はありません。 尚、専用のドライバ/ライブラリでは、SDカードへの総書き換え容量を記録しており、ユーザーはその情報を取得することができます。 総書き換え容量情報をSDカードの残り寿命の判断材料として使用可能です。

Q9 複数枚実装して使用する事はできますか?

答え

1PCにつき、4枚までのAPX-880Aを実装し制御する事が可能です。

Q10 制御ソフトウェアを構築する上での制限等ありますか?

答え

各基板に対するアクセスは4プロセスまで。データ転送は1スレッドで行う必要があります。 ストレージへのアクセスはファイルオープン→データ転送(データ転送、データ転送・・・)→ファイルクローズのシーケンスで行います。 ファイルオープン時のアクセスモードは3種類(※)サポートされており、それぞれのモードを同時に実行する事はできません。 つまり、WRITEモードでオープンしている間は、READモードでオープンする事はできません(読み込みは出来ません) この場合、WRITEモードをクローズした後にREADモードで再度オープンする必要があります。

(※)ファイルアクセスモード   
READモード   
WRITEモード   
WRITEROUNDモード(繰り返し書き込み)

Q11 使用PCの選択条件を教えてください。

答え

(1)本製品は、PCI-Expressバス電源の他、外部電源ケーブルの接続による拡張電源の入力が必要になります。   
  APX-880A 1枚毎に以下の電源容量が必要になります。   
   PCI-Expressカードエッジ電源   +12V / 2.1A Max   
   拡張電源(基板上面ケーブル入力)  +12V / 4.2A Max  
  詳細については、ハードウェアマニュアルを参照下さい。

(2)PCI-Express2.0(5.0G/bps)×4レーン以上のスロットが必要になります。

(3)本製品をPCに実装する際、2スロット分のスペースが必要となります。また、実装するスロットの周辺にコネクタ等の突起物等がある場合、実装が困難な場合があります。リテーナ(固定用のハンドル)を含めた実装面積が十分確保されている事をご確認ください。 詳細は弊社営業までご連絡ください。

Q12 データの信頼性を保証する機能はありますか?

答え

ストレージデータを保証する機能として以下の2機能が実装されています。

■パリティ機能(※)  
SDカードへの書き込み時にパリティデータを生成、読み出し時にパリティチェックを行います。  
パリティエラーの発生はソフトウェアでハンドリングする事が可能です。  
※パリティ用SDカードが必要となります。また、パリティ機能により転送速度が低下することはありません。
■データ復元  
SDカード(データ及びパリティ)が故障してしまった際、新品のSDカードと交換後リカバリー機能を実行する事で、故障したSDカードデータを復元する事が可能です。    
パリティ機能有効時のみ、データを復元することができます。  
※パリティ用SDカードが未実装の場合、または2枚以上同時に故障した場合はデータを復元することができません。  
※パリティーカードの使用有無はシステム仕様に合わせて選択頂く事が可能です。

Q13 SDKの制限事項はありますか?

答え

電源管理であるスリープ(サスペンド)や休止状態(ハイバネーション)の状態では正常動作できません。連続運転させるシステムではこれらの機能をOFFにしてください。

2. 製品の使用に関して

Q1 製品購入後、すぐに動作評価を行える付属のソフトウェアはありますか?

答え

PC上のファイルをSDカードへ読み書きする評価アプリケーションを用意しています(Windows版のみ)。 ソフトウェアダウンロードページより入手が可能です。 (※)ユーザ登録が必要です。 その他、SDK内にC言語ベースのサンプルプログラム2種類が格納されています。 ・PCI-Express⇔SD間のデータ転送サンプル(PCItoSD) ・GIGAチャネル⇔SD間のデータ転送サンプル(SdtoPCI)

Q2 OS起動後にフロントパネルのステータスLED(S1、S2)がエラーを示します(点滅)。点滅の要因を教えてください。

答え

フロントパネルのステータスLED(S1、S2)の点滅/消灯は以下の状態を示します。

S1:ボードステータス  
点滅(連続):ボード異常 (電源/温度/FAN) (※1)  
点滅(3回):DDR3初期化異常  
点滅(2回):バックアップデータでの起動  
点滅(1回):ライセンスなし  消灯:FPGAコンフィグ未完了

S2:SDステータス  
点滅(連続):SD Card 実装異常 (※2)  
点滅(3回):SD Card 初期化異常  
点滅(2回):エラー発生

(※1):拡張電源の接続をご確認ください。 (※2):SDカード、及びオプション基板の接続状態をご確認ください。 ※1、※2以外のケースが発生した場合については、弊社営業まで連絡下さい。

Q3 SDカードが故障した場合のデータ保証は?

答え

SDカード(データ及びパリティ)が故障してしまった際、新品のSDカードと交換後リカバリー機能を実行する事で、故障したSDカードデータを復元する事が可能です。

・パリティ機能有効時のみ、データを復元することができます。
・パリティ用SDカードが未実装の場合、または2枚以上同時に故障した場合はデータを復元することができません。
・パリティーカードの使用有無はシステム仕様に合わせて選択頂く事が可能です。

Q4 APX-781(光モジュール1チャンネル)と接続する場合の注意点

答え

本製品の工場出荷設定はAPX-782(光モジュール2チャンネル)接続用のコンフィギュレーションデータが書き込まれています。 APX-781(光モジュール1チャンネル)との接続を行う場合は、基板のコンフィギュレーションデータを書き換える必要があります。 コンフィギュレーションデータの書き換え方法については、ハードウェアマニュアルを参照下さい。 コンフィギュレーションデータは、ソフトウェアダウンロードページより入手が可能です。 (※)ユーザ登録が必要です。

Q5 すぐに評価できるサンプルはありますか?

答え

SDKに以下サンプルが付属されています。

・GiGA ChannelからSDに保存
・ローカルメモリからSDに保存 また、Windowsではドライバのプロパティからボード情報が参照できますがLinuxではできない為、Linux SDKにはボード情報を表示するサンプルが付属しています。